公益社団法人とは?
公益社団法人とは、一般社団法人のうち、公益事業を主たる目的としている法人で、申請により民間有識者から構成される委員会等で公益性を認定された社団法人のことです。
一般社団法人のワンランク上の社団法人と考えるとわかりやすいでしょう。
尚、この公益社団法人はいきなり公益認定を受けられるわけではなく、まず一般社団法人を設立し、次に公益認定の申請を行うことになります。(既存の公益法人に関しては、平成25年11月30日までに「公益社団法人」になる為の以降認定申請を行うか、又は公益性の認定を受けない「一般社団法人」への移行認可申請が必要でした。)
行政庁より公益認定を受けると、「公益社団法人」という名称を独占的に使用する事ができ、公益社団法人へに対する寄附を行う個人及び法人への税制上の優遇措置が受けられます。
従って、法人への寄付金も集まりやすくなると言えるでしょう。
尚、欠格事由として下記のような法人は公益社団法人とはなれません。
欠格事由
- 暴力団員等が支配している法人
- 滞納処分終了後3年を経過しない法人
- 認定取消し後5年を経過しない法人
一般社団法人と公益社団法人の違いは?
一般社団法人と公益社団法人の基本的な違いを表にまとめてみましたので、下記を参考に比較検討してみて下さい。
一般社団法人 | 公益社団法人 | |
---|---|---|
設立手続き | 設立登記のみ | 設立登記後に行政庁へ公益認定申請 |
設立時資金(基金) | 不要 | 不要 |
設立者数 | 2人以上 | 2人以上 |
理事数 | 2人以上 | 3人以上 |
理事会 | 設置することも可能 | 必ず設置 |
監事数 | 1人以上(理事会設置の場合) | 1人以上 |
会計監査人数 | 原則不要 | 基準を超えた場合1人以上必要 |
公証人手数料 | 50,000円 | 50,000円 |
登録免許税 | 60,000円 | 60,000円 |
所轄庁 | なし | なし |
監督 | なし | 都道府県庁又は内閣府 |
許認可 | なし | 公益性認定 |
設立期間 | 2週間~4週間程度 | 設立+認定相当期間 |
社会的信用 | 低い | 高い |
課税 | 全所得課税と収益事業課税に区分 | 原則非課税・公益目的以外課税 |
税率 | 会社と同じ | 会社と同じ |
寄付金優遇 | 非営利型の場合、優遇アリ | あり |
報告 | なし | 毎年度行政庁に提出 |
法人格取消し | 休眠の場合解散 | 認証取消しの場合解散 |
公益社団法人の現状
2019年現在、公益認定を得ることは非常に困難になってきています。
期間:1年半~2年
費用:300~500万円
費用と期間もさることながら、公益認定を目指すには相当の覚悟が必要になります。
行政側は、法律の基準に沿って中立に審査しているわけではなく、明らかに「認定を出したくない」というバイアスをもって審査をするケースが多くなってきました。
- そういう行政と裁判で戦ってでも公益認定を勝ちとる覚悟があるかどうか。
- いざとなれば裁判も辞さない位の覚悟があって公益認定を目指すのかどうか。
- そのくらいの意志統一が理事会でなされて、組織的に一丸となって役所と戦う体制がある法人なのかどうか。
法人としての戦う覚悟がないと、どれだけ専門家にお金を積んでも、どれだけ時間をかけても徒労に終わります。
「取れるなら取りたい」とか「認定とれらたいいな~」程度の気持ちで公益認定をとるのは現状非常に厳しいと言わざるを得ないのが現状です。