一般社団法人の役員(理事・監事)等
一般社団法人の役員は、理事・監事となりますが、この中で必ず置かなければならない役員は理事のみです。
役員は誰でもなれるわけではなく、役員適格の要件(自然人であること、成年被後見人ではないこと等)がありますので注意が必要です。
理事
一般社団法人においては、理事を1名以上置く必要があります。
また、理事会を設置する場合には、3名以上理事を置く必要があります。
更に理事会を設置した場合には、必ず1名以上の代表理事を定めなければなりません。(尚、理事会を設置した場合には、監事も設置しなければなりません。)
税務上のメリットを享受できる非営利一般社団法人を目指す場合、理事が3名以上必要になりますのでご注意下さい。
代表理事を定めた場合はその代表理事が、定めない場合には理事全員が一般社団法人を代表することになります。
理事の任期
理事の任期は原則2年となっていますが、定款や社員総会の決議にて短縮することも可能です。
任期の伸長は認められておらず、役職を継続する場合には、「重任」の登記が必要です。
重任登記を忘れて過料を課されない為に!
社団法人・財団法人は最低でも2年に1回は法務局へ役員変更の登記手続きを行わなければなりません。
選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会終結の時までが任期です。
通常定款では、「第○条 当法人の定時社員総会は毎事業年度の終了後2か月以内に開催する。」等と決めておきますので、事業年度終了(決算期)が仮に6月末だとすると、8月末が期限となります。
期限を過ぎても登記はできますが、登記懈怠として過料という罰金を請求される可能性があります。放置期間の長さによって金額も高くなりますので十分注意しましょう。
また、過ぎて登記してしまった場合、履歴事項証明書には以下のように記録され続けます。
平成29年 8月31日重任
令和 1年 10月30日登記
↑上記は2年遅れて重任登記したんだなということがバレバレですね(笑)
本来平成29年8月31日までに重任登記をしておくべきところ、令和1年10月30日に登記手続きをしたということです。
手続きにルーズな法人との印象を取引先や金融機関に与えてしまいますので、契約や融資において不利になる可能性も十分あります。
2年に1度のことで忘れがちになりますので十分注意してください。
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監事
監事は一般社団法人において必置機関ではありませんが、理事会を設置した場合は必ず置かねばなりません。
また一般社団法人ではなく、公益社団法人を目指す場合には、監事は原則として税理士・公認会計士等の資格者か、経理の経験者である必要がありますのでご注意下さい。
監事の任期
監事の任期は原則4年ですが、理事の任期とあわせて2年に短縮することも可能です。
こちらも理事同様、役職を継続する場合には、「重任」の登記が必要です。
会計監査人
会計監査人は一般社団法人において必置機関ではありませんが、大規模な一般社団法人(負債額200億円以上)の場合は必ず1名以上置かねばなりません。
※収益又は費用及び損失の額が1,000億円以上、あるいは負債額50億円以上の公益社団法人は、会計監査人の設置義務があります。
会計監査人の任期
会計監査人の任期は1年以内ですが、こちらは理事や監事等の役員と違って、任期満了時の定時社員総会で特段の決議がなければ、自動的に重任・任期更新となります。
尚、会計監査人はいつでも社員総会の決議若しくは監事の権限で解任する事が出来ます。
設立時役員の選任について
設立時理事及び設立時監事関しては、通常定款内に記載しておきます。
しかし、定款で役員選任を行わなかった場合には、定款認証手続きが終り次第すぐに、設立時社員の過半数の賛成にて決定することになります。
休眠一般社団法人にならないように・・・
新たな公益法人制度は、最後の登記から5年を経過した法人は休眠状態とみなされ、法務大臣からの催告があっても適切な届出を行っていない場合、催告から2ヶ月が経過すると強制的に解散したものとみなされます。
上述したように、理事や監事等の役員には任期があり、例え役員に変更がないとしても重任の登記手続きを行っておかないと最悪、「強制解散」となってしまいますので、十分ご注意下さい。